日本脳炎ワクチンの説明

「日本脳炎」はどんな病気?

日本脳炎ウイルスの感染によって起こります。人から直接ではなくブタなどの体内で増えたウイルスが蚊(主にコガタアカイエカ)によって媒介され感染します。7~10日の潜伏期間の後、高熱、頭痛、嘔吐、意識障害、けいれんなどの症状を示す急性脳炎になります。人から人への感染はありません。
日本脳炎の患者発生は近年少なくなっており、西日本地域を中心に年間10名未満の報告があります。ただし、ウイルスは北海道など一部を除く日本全体に分布しており、飼育されているブタにおける日本脳炎の流行は毎年6月から10月まで続きますが、この間に地域によっては、約80%以上のブタが感染しています。
日本脳炎は、予防接種の普及で減少しましたが、予防接種を受けていない高齢者や若年齢層にも患者が発生しています。
感染者のうち脳炎を発症するのは100~1,000人に1人で、髄膜炎や夏かぜ様の症状で終わる人もいます。脳炎にかかった時の死亡率は約20~40%ですが、神経の後遺症を残す人が多くいます。

予防接種の効果

現在使用されている乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンは、日本脳炎ウイルスをVero細胞(アフリカミドリザル腎臓由来株化細胞)で増殖させ、不活化(感染性を失くすこと)し精製したものです。
不活化ワクチンは単回接種では効果が永続しにくいため、幼児期に3回、学童期に1回接種することで高い効果が得られており、日本における患者数は激減しました。

日本脳炎ワクチンの副反応

通常みられる反応の主なものは、発熱と接種部位の腫れなどの局所反応です。これらの症状は接種当日から翌日にかけて多くみられます。なお、ショック、アナフィラキシー様症状、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、脳炎、けいれんなどの重大な副反応が、ごくまれに生じる可能性もあります。
平成24年度の国の集計によると、日本脳炎ワクチン接種後にみられる37.5℃以上の発熱は、1期初回の翌日に最も多く0.6~2.7%程度、次いで接種当日ではこれを下回った数の発熱がありました。接種部位の腫れなどの局所反応は接種翌日が比較的多く0.7~2.2%程度で、第2期接種時に最も多く発生しました。

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